古着物を未来へつなぐ循環プロジェクト「engimono」。環境・福祉・文化を結ぶ新しい社会モデルを燕市から発信。

福祉作業所が「着物をほどく」のはなぜ?

みなさん、こんにちは。 engimonoの活動において、いつも大切にしている「福祉施設との連携」。

「どうして着物の解体作業を福祉施設にお願いしているのですか?」と聞かれることがあります。今日は、その理由を少しだけ深掘りしてお話ししてみようと思います。

「就労継続支援B型」という選択肢

まず、私たちがパートナーとしてお願いしているのは「就労継続支援B型」という福祉サービスの事業所がほとんどです。

この事業所は、障がいがある方や体調に不安がある方が、自分のペースで働きながら、社会とのつながりや「働く喜び」を感じられる場所です。ここで働く方々には、一人ひとりに得意なことや、好きなことがあります。

私たちがお願いしている「着物を解く」という作業は、実はとても奥が深く、やりがいのある仕事なのです。

「単純作業」ではない、丁寧さという技術

「着物を解く」と聞くと、ただ糸を切ってバラバラにする作業を想像されるかもしれません。でも、実際の作業はまったく違います。

  • 生地を傷めないための慎重さ
  • 縫い目を丁寧に追う集中力
  • 次に使う人のことを考える想像力

着物は一度解いてみると分かりますが、何十年も前に縫われた職人さんの手仕事が詰まっています。その歴史や針跡を尊重しながら、次の製品へとつなげるために、糸を一本ずつ、丁寧に外していく。

「誰かのために」というやりがい

実際に作業をお願いすると、皆さんは驚くほど丁寧に、そして美しく仕上げてくださいます。「この生地の柄、とっても素敵だね」「次はどんなものに生まれ変わるの?」と、作業所の方々が楽しそうに話してくださる姿を見るのが、私にとって一番の喜びです。

実は、着物を解くという作業は、どんなに技術が進化しても「人の手」でなければできない繊細な仕事です。

もちろん、もっと時間を短縮する方法を探そうと思えば、別の視点もあるかもしれません。けれど、私たちが大切にしているのは「どれだけ速く解けるか」という効率だけではありません。

誰かが時間をかけて丁寧に解いた生地が、また誰かの手によって新しい形に生まれ変わる。

その「人の手」から「人の手」へと渡っていく過程そのものに、温かな物語が紡がれていると信じています。機械的な作業ではなく、一人ひとりの手仕事が積み重なっていくこと。それこそが、engimonoが目指す「共助」の形であり、何物にも代えがたい価値なのです。

共に支え合う「共助」のカタチ

福祉作業所での丁寧な手仕事が、着物を新しい形へと蘇らせる。そして、その活動が誰かの「やりがい」につながる。この循環こそが、engimonoが目指す「共助」の形です。

一枚の着物が解かれるその裏側には、そんな温かな物語が紡がれています。これからも、この大切なパートナーシップを育てていきたいと思っています。

株式会社 創明工芸
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